平素の取引の記録や、帳簿の作成を行うことは、経営状況を把握するために不可欠です。税務申告のためにだけ行うのではありません。とはいえ、そのための時間を確保できなかったり、専門知識が欠如していたりして、後回しになってしまう場合も見受けられます。
会計事務所に依頼して会計帳簿を作成してもらうことを、「記帳代行」といいます。請求書や領収書といったものを送付し、それらに基づいて帳簿を作成してもらいます。従前は記帳代行を依頼する中小企業が数多く存在しました。その理由として、仕訳を行うためにはある程度の専門知識が必要であったこと等が挙げられます。
しかし、近年では使いやすい会計ソフトが多くなっていることから、そのようなソフトを用いて自社で記帳をするケースも増加しています。このように自社で会計帳簿を作成することを、「自計化」といいます。簿記の知識が豊富でなくても、入力方法を最初に覚えれば、難易度はあまり高くありません。会計帳簿の作成過程に関わることによって自社の経営数値に対する感覚が磨かれるのは、有益であるといえます。
記帳を行わずに長期間放置すると、経営状況を把握できないだけでなく、領収書等を失くしてしまう可能性もあります。したがって、会計事務所に記帳代行を依頼するか、会計ソフトを用いて自社で記帳するかを検討し、早期に対応することが重要です。会計ソフトの選び方や入力方法について難しく感じることについては、税理士に相談したり指導を受けたりしてもいいと思われます。