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会社を設立して間もないのですが、先日、売掛金の回収として初めて小切手を受け取りました。小切手をどのように扱ったらいいでしょうか?また、手形は小切手とどう違うのですか?

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会社設立と経理
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会社間の取引においては、現金のほかに小切手や手形も通貨としての役目を担っています。起業したばかりの会社が小切手や手形を振り出すことはあまりないでしょうが、取引に際して受領する場合はあると思われます。取扱いを誤れば、会社の資金繰りに影響があったり、予想外のトラブルが発生したりする場合があることから、小切手や手形の基礎知識を理解しておく必要があります。

 小切手や手形について、以下に述べます。

1.小切手
 「小切手」というのは、振出人(発行した人のことをいいます。以下同じです)が受取人等の正当な所持者に対してお金を支払うことを委託する証券のことです。多額の現金を持参するのは危険であることから、支払証券のやりとりによって決済を行うのです。小切手を受領したら、銀行に持参して現金に換えます(預金口座への入金をします)。ただ、直後に現金として用いることができるのではなく、現金化は2~3日後になるのが通常です。
 小切手を受領したら、第一に法律に規定されている条件が整っているかを確認します。具体的には、「振出人の氏名」、「印鑑」、「支払金額」、「振出日」をチェックします。振出日の翌日より10日以内に、小切手を銀行に持参するのが原則です。失ってしまわないためにも、早期に持参することが重要です。ただ、取引先との合意の上で、将来の日付が振出日とされているケースもあることから、留意が必要です。
 そして、紛失や盗難といった通常ではない手段によって誰かが小切手を入手しても、その人が銀行に対して提示すれば換金されてしまいます。このようなことにならないよう、小切手の右上の角に平行線を2本引く「線引き」と呼ばれる制度が存在します。線引小切手については、持参人が銀行に預金口座を有する場合を除いて換金されないことになっています。誰かが不正な手段によって取得して小切手を持参した場合においても、追跡が可能ですので、安全性の高い小切手です。

2.手形(約束手形)
 「手形」も、小切手と同様に振出人が受取人等の正当な所持者に対してお金を支払うことを委託する証券ですが、後日の決済を前提としている点が小切手と異なります。振出日より90日後、120日後、180日後といった手形に記されている期日に、手形が現金化されて入金されます。手形を受領したら、銀行に持参して取立(受取手形の現金化)を依頼します。取立の依頼を受けた銀行は、手形交換所を通じて振出人の当座預金口座より現金を回収します。なお、取立依頼を行うのは、支払期日前なら早期でも支障ありません。
 手形は長期間現金化されず、資金繰りに影響があることから、手形割引という制度が存在します。「手形割引」というのは、銀行等に支払期日前の手形を譲渡することによって、支払期日までの利息相当額を控除した金額で売却することです。手形割引を行うためには、あらかじめ取引銀行と手形取引約定書を交わしておかなければなりません。