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休眠会社を買い取って事業を始めようと考えていますが、大きなメリットは何かありますか?

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会社設立の注意点
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事業を始めるためには、会社を新しく設立する方法のほかに、休眠会社を買い取る方法があります。「休眠会社」というのは、登記簿上は存在しているものの、営業活動を事実上まったく行っていない会社のことです。新会社法が施行される前は、休眠会社を買い取ることによって資本金相当額の資金を調達する必要がなくなるというメリットが存在していました。しかし、最低資本金制度の撤廃により、休眠会社の買取りのメリットはあまり大きくなくなっています。
 休眠会社の買取りについては、メリットだけでなくデメリットも考慮しつつ、慎重な検討を行う必要があります。登記事項証明書、定款、決算書といったものを入手して、買取会社の状況を詳しく調査しなければなりません。
 なお、会社の買取りを行った場合、商号、目的、役員、本店所在地等の変更登記の手続きが必要となります。このことだけで約10万円の登録免許税が必要です。
 会社設立の費用を節約するためだけに休眠会社を買い取るのであれば、効果はあまり大きくないでしょう。

 休眠会社を買い取ることのメリット及びデメリットは、次の通りです。

1.休眠会社買取りのメリット
 (1)多額の資本金を名目上得られること
  資本金の額は信用力の一つですが、資本金の額が大きい会社を買い取ることで、その額の資本金を準備することなく、名目上得ることができます。
 (2)社歴を入手できること
  会社は継続しているほど信用を得られやすくなります。長い社歴をアピールすることができます。
 (3)許認可を得られること
  不動産業(宅地建物取引業)等の許認可付きの会社を買い取ると、許認可を得ることができます。
 (4)青色欠損金を活用できること
  青色欠損金のある会社を買い取ると、過去の赤字分を引き継ぐことで税金の負担が軽くなります。

2.休眠会社買取りのデメリット
 (1)隠れ債務があるかもしれないこと
  会社を買い取るということは、その会社の資産や負債の全てを引き継ぐことです。未払いの借金、買掛金、未払い金等の債務のほかに、帳簿に記されてない債務も存在する可能性があります。
 (2)新規の借入れができないかもしれないこと
  金融機関のブラックリストに載り、銀行取引停止になっていると、新規の借入れが不可能です。このような状態でなくても、整った決算書がない場合、融資を受けることは容易ではありません。
 (3)青色申告がすぐにはできないこと
  休眠会社の場合、税務申告をせずに白色申告になってしまっていることが少なくありません。したがって、青色申告に戻すのに数年を要するケースが存在します。